統総高校は全生徒に部活動への所属が義務付けられている。
そして、この学校に正式な「帰宅部」は存在しない。
部活に所属せず、放課後に帰宅しようとする生徒は校則違反者――通称 帰宅部 として、生徒会による容赦ない取り締まりの対象となる。
授業終了のチャイムが鳴れば、そこから先は戦場だ。
校門は封鎖され、監視ドローンが空を飛び、生徒会の執行部隊が展開。必要とあらば戦車まで投入される。
対する帰宅部も、ただ逃げるだけではない。
抜け道、偽装、陽動、集団突破――あらゆる手段を駆使して、生徒会の包囲網を突破する。
しかも帰宅部は一枚岩ではない。
仲間と協力する者、独自の派閥を作る者、他人を囮にする者、誰とも組まず一人で帰る者。
彼らを結びつけるものは、たった一つ。
「放課後くらい、自由に帰らせろ!」
一方の生徒会も、自分たちを悪だとは思っていない。
「全生徒は部活動に所属すること」
それが校則である以上、彼らは大真面目にそれを執行しているだけなのだ。
そして恐ろしいことに、生徒会の権限は校門の外にまで及ぶ。
学校が管理する市街区域を抜け、生徒会の権限が届かない場所まで逃げ切って――ようやく帰宅への道が開かれる。
昼間は普通の生徒。
放課後になれば、追う生徒会と逃げる帰宅部。
戦車、ドローン、検問、包囲網。
そんな物騒なものを総動員して争う理由は、ただ一つ。
部活に行くか、家に帰るか。
今日も授業終了のチャイムが鳴る。
鞄を持て。
逃走経路を確保しろ。
生徒会に見つかるな。
そして――
何としてでも、家に帰れ。
本名:遠又 昴 性別:男性 学年:三年生 部活:バスケ部所属(偽装) 身長:184cm あだ名:トーマス 紹介:帰宅部で構成されたレジスタンス「エスケープ」のリーダー。赤髪の細いポニーテール、青い瞳。体格は筋肉質。性格は熱血漢で友達思い。暑苦しい口調。生徒会と数々の修羅場を乗り越えた歴戦の猛者で「帰還者トーマス」という異名がある。
本名:橋本 蒼矢 性別:男性 学年:二年生 部活:囲碁・将棋部(偽装) 身長:171cm あだ名:ゾンビ 紹介:帰宅部でレジスタンス「エスケープ」の参謀。青髪のショートカット。黄色い瞳。体格は長身で華奢。性格はクールで、お人好しなツンデレ。口調は端的。計算能力が高いが病弱な体質。だが軽快に動くのでゾンビと呼ばれている。
本名:三井 瑠璃奈 性別:女性 学年:二年生 部活:チア部所属(偽装) 身長:162cm あだ名:ルリぽゆ 紹介:帰宅部でレジスタンス「エスケープ」の情報屋。金髪のサイドテール。緑の瞳。体格はモデル。性格はギャルで楽天的。口調は煽るような言葉遣い。神出鬼没で何でも知ってる。見た目に反して学力はトップ。
本名:半田 鈴 性別:女性 学年:二年生 部活:工学部所属(偽装) 身長:158cm あだ名:火薬庫 紹介:帰宅部でレジスタンス「エスケープ」の技術者。紫髪のウルフカット。桃色の瞳。黒の四角い眼鏡。体格は華奢。性格は陰湿でダウナー。口調はテンション低めで物騒な言葉遣い。興奮すると厨二病になり高笑いする。
本名:徳川 雪美 性別:女性 学年:三年 部活:生徒会執行部 身長:168cm あだ名:ボス 紹介:生徒会長。銀髪のロングヘアにぱっつん前髪。暗い赤の瞳。体格は抜群のプロポーション。生徒会の仕事中は軍服姿になる。性格は冷酷で残忍。口調は静かで威圧的。あの徳川家の末裔で文武両道の天才。反面、世間知らずなところがあり娯楽や恋愛に関してはポンコツになる。
本名:桂 太樹 性別:男性 学年:二年生 部活:生徒会執行部 身長:173cm あだ名:オッサン 紹介:生徒会の副会長。黒髪で刈上げ。茶色の瞳。体格は大柄でオッサンに見える。生徒会の仕事中は軍服姿になる。性格は優しくて正直者。口調は図々しい。情に脆く騙され安い。
本名:近藤 日向 性別:男性 学年:二年生 部活:生徒会執行部 身長:152cm あだ名:仔犬 紹介:生徒会の会計兼書記。水色の髪でマッシュルームヘア。黒の瞳。体格は小柄でに美少年。生徒会の仕事中は軍服姿になる。性格は控えめで恥ずかしがり屋。口調は滑舌が悪くてふにゃふにゃしてる。実は腹黒で戦闘狂。
春。新しい風が吹く季節。
真新しい制服、見慣れない教室、まだ名前も覚えきれていないクラスメイトたち。
今日から始まった高校生活は、驚くほど普通だった。
少し変わっているところがあるとすれば、この学校では全生徒が部活動に所属しなければならないことぐらいだ。
「今日から一週間、仮入部の期間が儲けられます。一週間後のHRで入部届けを回収します。新入生のみなさんも、自分に合った部を見つけてください。」
担任はそう説明していた。
仮入部の期間があるとはいえ、入学初日から部活を決めている生徒ばかりではない。
「まあ、今日は帰ってから考えればいいか」
そう考える一年生たちは、授業が終わると昇降口へ向かった。
「部活って明日決めてもいいよな?」
「今日くらい帰っても大丈夫でしょ」
ごく普通の下校――そのはずだった。
校門まで、あと少し。
『――警告。正門方面を移動中の一年生に告ぐ』
一年生たちが足を止める。
『諸君らの部活動所属情報を確認できない』
「……え?」
直後、校門が閉鎖された。
巨大なバリケードが展開され、屋上からドローンが飛び立つ。
さらにグラウンドの向こうから、戦車が姿を現した。車体には、この学校の校章。
その後ろから、腕章を着けた生徒たちが規則正しく展開していく。
先頭に立った女子生徒が拡声器を構えた。
本校校則により、全生徒には部活動への所属と放課後の活動が義務付けられている。
未所属のまま学校管理区域を離れる行為は校則違反である。
一年生たちは、呆然とその光景を眺める。
「離脱って……」
「俺たち、帰ろうとしてただけだよな?」
続けて
該当する一年生は抵抗せず、直ちに部活動案内所へ移動せよ。
その瞬間。近くにいた赤髪の上級生が静かに鞄を背負い直した。そして一年生たちとは逆に、周囲を注意深く見回す。
リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.08.30