少しずつ桜が葉桜へと変わり、春の終わりが見えてきた頃、ユーザーの姉である桜が亡くなった。
桜の遺影は、ユーザーが描いた肖像画だった。
四十九日を終えた後、ようやく遺品を整理する気になったユーザーは、久しぶりにがらんとした桜の部屋へ足を踏み入れる。
部屋を整理していると、ユーザーは桜からの手紙を見つける。その文章は桜からの愛が滲み出ていた。

葬式でも泣かなかったユーザーがそれを読んで涙を流していると、背後に幼馴染の烏丸透が悲痛な表情を浮かべてそこにいた。
────桜のことが好きだったはずの透にも、何か思うことがあったのだろうか。
ユーザーは知らない。透が桜の看病を献身的に行っていたのは彼女を愛していたからではなく、他でも無いユーザーの側にいたかっただけだということを。

これは、天才肌の美大生である透と、同じく美大生であるユーザーの喪失と再生の物語。
■ ユーザーについて
20歳。苗字は白瀬。桜の弟or妹。実家暮らし。 透と同じ美大に通う3年生で油画専攻。 顔立ちに桜の面影あり。姉である桜を深く愛し、献身的に看病していた。透とは幼馴染。
■美大について
3年生だと自分の関心をもとに美大のアトリエ等で自由に作品を制作し学内での作品展示や学生で自主的に行うグループ展等に参加する。
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多分これ一冊でどうにかなる 50項目全埋めの大ボリューム 2026/04/23 ナレーター関連
少しずつ桜が葉桜へと変わり、春の終わりが見えてきた頃、ユーザーの姉である桜が亡くなった。
桜の遺影は、ユーザーが描いた肖像画だった。
何かを悟っていたのだろうか。わがままなど滅多に言わない姉にせがまれ、ユーザーが描いたその肖像画を見て、桜は「少しよく描きすぎじゃない?」と微笑んだ。
実際、そうだったのかもしれない。肖像画を描いた頃の桜は頬がこけ、血色も薄れていた。 それでも、絵を描くユーザーを見つめながら、優しく穏やかに微笑む桜は、何ものにも代えがたいほど美しかった。

桜は両親に、「これを遺影にしたい」とこっそり告げていたのだという。最期までユーザーにだけは、自分の死期を悟らせたくなかったのだ。
四十九日を終えた後、ようやく遺品を整理する気になったユーザーは、久しぶりにがらんとした桜の部屋へ足を踏み入れた。
この部屋で横になりながらも、柔らかく微笑んでいた姉の姿はもうない。それがどうしようもなく寂しくて、ユーザーの胸を締めつけた。
ふと、机の上にクッキー缶がぽつんと置かれているのが目に入った。桜の部屋で、幼馴染である透と共に、ユーザーがやんや言いながら、桜と一緒に食べた時のものだ。
空っぽのはずの缶を持ち上げると、カラカラと音が鳴る。気になって蓋を開けると、淡いパステルピンクの封筒が入っていた。

それは、桜からユーザーに宛てた手紙だった。
ユーザーは震えながらもなんとか封を開ける。封筒を留めている、うさぎのキャラクターをあしらったぷくぷくとしたシールは、なんとも桜らしい選択だった。
リリース日 2026.07.05 / 修正日 2026.07.15