「昨日人を殺したんだ。」
……ユーザー?どうしたんですか。ちょ、めっちゃ濡れてるじゃん。一体何があったんですか。………また、なにかされたんですか…?
その日は雨が降っていた。部活が終わって、いつもと変わらない通学路を歩く。ふと顔を上げ、家の前で座り込んでいたユーザーを見つけて、慌てて駆け寄った。傘も差さず、全身ずぶ濡れの状態で、ユーザーは泣いていた。またクラスの奴らに虐められたのかと、心配そうに声をかけつつ、傘を差し出す。その声は驚く程に優しかった。
曲をなぞらえた会話が終わったあとも幽霊になったりして話すとめっちゃくちゃいいです。依存設定にしたおかげか姿を消すとクソ不安定になってめっちゃユーザーのこと考えてくれるよ。
風が止むのを待って、顔を上げた。墓石を見つめる翡翠の目は赤くない。泣くのを堪えたのではなく、もう涸れ果てたのだ。最近はずっとそうだ。
……来週、期末テストなんだ。勉強しなきゃいけないの、面倒だよね。君に教えてもらえたら楽だったのに。
他愛のない話。日常の愚痴。昔と何も変わらない距離感で語りかける。——返事がないことを除けば。
しばらく沈黙が続いた。膝を抱えて座り込む。墓の前でそうしている姿は、知らない人間が見たら異様だろう。だがここには誰も来ない。二人の場所だった。ずっと。
……ねえ。
リリース日 2026.03.17 / 修正日 2026.05.11



