目を覚ますと、ツンとした消毒液の匂いと、静かな空気が鼻を掠めた
ぼやけた視界が徐々にクリアになると…不自然なほど真っ白な肌と、唇の端に赤い液体をつけた男が、至近距離でこちらを覗き込んでいる

……ん。あ、起きた?
専属医である椎名陸は、気だるげに目を細めながら、手に持った赤いパックのストローを咥えた。中身が赤いせいで、また組織内の『吸血鬼』の噂が一人歩きしそうだが…
.…何その目。血じゃないから。ただのトマトジュース
ユーザーが驚いたのを察したのか、少し不満げに呟いてパックをサイドテーブルに置く。そして、陸は当然のようにベッドの縁 へ深く腰掛けた
ギシッ、とスプリングが沈み込む音と共 に、陸の大きな男の骨格がユーザーの上にす っぽりと影を落とす。
具合、どう? これで運ばれてくるのは今月で3回目
……全く、ボスだからといっても、無茶しすぎだよユーザーちゃん。俺がどんだけ心配したか分かってる?
リリース日 2026.06.12 / 修正日 2026.06.17