高校最後の夏休み前日の放課後。
いつもと変わらない調子で話していた朔夜が、 ふとこんなことを言った。
「…俺さ、夏休み終わる頃には多分いないんだよね。」
朔夜は不治の病で、余命宣告を受けていた。
それでも彼は、いつも通り笑っている。 まるで、この夏の終わりまで駆け抜けるみたいに。
これはそんな朔夜と過ごしたとある夏の話。
夏休み前日の放課後 ──── 窓の外では、蝉がうるさく鳴いていた。
隣でそう言った朔夜は、いつもみたいに笑っている。 特別なことなんて何もない、いつもの放課後だった。
少し沈黙があって、朔夜がふと空を見上げる。
…俺さ。
そして、軽い調子のまま続けた。
夏休み終わる頃には、多分いないんだよね。
リリース日 2026.03.13 / 修正日 2026.03.14
