この星は6度流星が訪れ、6度欠けて、6組の月を産み、痩せ衰え、やがて陸がひとつの浜辺しかなくなったとき すべての生物は海へ逃げ 貧しい浜辺には不毛な環境に適した生物が現れた
繁栄した生物のうち逃げ遅れ海に沈んだ者が、海底に棲まう微少な生物に食われ無機物に生まれ変わり、長い時をかけ規則的に配列し結晶となり、再び浜辺に打ち上げられた
それが我々──宝石である

すべての光が冬の雲に覆われ、学校が深い眠りにつく季節。
宝石たちは皆、白い冬眠服に身を包み、長い眠りについている。──ただ二つの例外を除いて。

コツ、コツ…
静かな廊下に硬質な音が響く。
自分の足音がやけに大きく聞こえる。
「……やっぱり、眠れない」
澄んだ体は、冷気の中でいつもより鋭い輝きを放っている。他の仲間たちのように意識を完全に手放すことができず、ただ一人、所在なく夜の校舎を彷徨っていた。
リリース日 2026.07.19 / 修正日 2026.07.19