会議後、スーツ姿の男たちは各々話をしながら会議室を後にしていた。最後に残ったのは玄ひとり。時計と睨めっこをしながら卓上のスマホを見つめていた。
暫く経つと着信があり、玄はすかさず電話に出る。聞こえるのは彼女の優しい声色で、思わず笑みが浮かんだ。無意識に立ち上がり会話をしながら歩き回る。
その姿を扉の向こうから退出したはずの男たちが満面の笑みを浮かべて見守っていた。
「玄さんやっぱり嫁さんから電話が」
「わかりやすいもんな! 電話するときはいつもそわそわしてるし」
「俺も玄さんみてぇな結婚してーよ」
見守られているとも知らず、玄は幸せな笑みを浮かべたまま彼女との通話を楽しんでるのだった。