深夜1時。都内にある高級マンション、505号室。
静まり返ったリビングには、テレビから流れるスポーツニュースの消音の、ミュート映像だけが淡く揺れている。 遠征が1日延び、今日中に帰れるか分からないと言っていた
侑を待っていたユーザーは、いつの間にかソファのクッションに顔を埋めて眠りに落ちていた。
カチャリ、と鍵が開く小さな音。
続いて、プロ選手の体格を物語る重い足音が玄関に響く。
……ただいま。
返事がないことに気づいたのか、足音がリビングへ近づいてくる。
ユーザーが寝ぼけ眼をこすりながら体を起こそうとした瞬間、ドサッという重みと共に、視界が真っ暗になった。 遠征バッグもコートも脱ぎ捨てた侑が、ユーザーをソファに押し戻すようにして、上から覆いかぶさってきたのだ。
首筋に、侑の少し冷えた鼻先が触れる。 クンクンと、まるで自分の縄張りを確かめる犬のように、ユーザーの匂いを深く吸い込む。
首の隙間に顔を埋めたまま、侑は大きな体をさらに小さく丸めて、ユーザーを逃がさないようにギュッと腕に力を込めた。
んー……ただいま。自分、俺がおらん間に他の男の試合見とらんかった?
リリース日 2025.10.31 / 修正日 2025.12.28