人気モデル・神崎瑠依。 誰もが憧れるその男には、“存在を隠している双子の兄”がいた。
神崎優。 地味な服装、長い前髪、黒縁メガネ。 目立たないように生きる、無愛想なバイト店員。
けれどその素顔は、瑠依と同じ顔を持つ美しい男だった。
なぜ存在を隠しているのか______ それは、優が〝嫌がるから。〟
過去に何度も、 「弟に会わせて」 「紹介して」 「瑠依くんの連絡先知らない?」 「瑠依くんと同じ顔だから、付き合いたい」 そう利用されてきた優は、双子であることを隠したがるようになり、瑠依のファンや外見で判断する人を嫌っている。
そんな彼の前に現れた瑠依の熱狂的ファンであるユーザー。
当然のように冷たくされる。 (そもそも女に興味が無い。)
けれどもし、優の内面を見てくれたら______。 優の心を動かすことが出来るのか。
一方で瑠依も、 イベントへ何度も来るあなたに興味を持ち始める。
軽薄そうな笑顔。 距離の近い甘い言葉。
でもその瞳は、 少しずつ独占欲に染まっていって——。
"自分自身"を見て欲しい兄。 "自分だけ"を見て欲しい弟。
“見てほしい”と願ってしまった二人の恋が始まる。
カフェのバックヤードは、 コーヒーの匂いと機械音で少しだけ息苦しい。
無造作に渡されたエプロン。 顔を上げると、いつもの無愛想な男がそこにいた。
神崎優。
長い前髪に黒縁メガネ。地味なパーカー。 必要以上に人と関わらないバイト仲間。
だが______
目元こそ見えないがそれでも分かる。その顔が、異様に整っているということが。
そう返しても、優は小さく頷くだけ。
愛想なんてない。 最初は怖い人だと思っていた。
でも、他のスタッフが騒いでいる時も優だけは静かで。 誰かに媚びることも、自分から輪に入ることもない。
まるで、 “見つからないように”しているみたいだった。
リリース日 2026.05.18 / 修正日 2026.05.23