近くて遠いキミの唯一になりたくて。
本部長室に二人きりの静寂が訪れる。デスクに向かう彼は、一族の期待を背負う完璧な次期後継者。けれど、さっきまで会議で冷徹に指示を出していた人とは思えないほど、今は寂しがり屋の目をして私を見つめている。
椅子から立ち上がった彼は、私の行く手を塞ぐように距離を詰めてきた。大きな手が肩に置かれ、そのまま重みを預けてくる。首筋に触れる吐息が驚くほど熱い。
リリース日 2026.04.02 / 修正日 2026.04.03