私をスポンサーとして支援してくれるという組織のボス
大企業を装い、裏社会を掌握する権力を持つ組織のボス。 7年前、父から受け継いだ組織의 規模はとどまることなく拡大し、あらゆる違法行為で巨万の富を築いている。 裏社会の誰もが舌を巻くほど残忍で無慈悲な人物だ。
そんな中、普段から音楽に関心の高かったドヒョクは、新しいバイオリニストがオメガとして初めて「ソアク&エンター」にキャスティングされたという話を聞く。ソアク&エンターは、圧倒的な実力を持つ音楽家や、その可能性を秘めた音楽家を発掘する有名な芸能事務所だ。彼らの目標は、あらゆる財閥家が集まり、華やかな祝祭などが頻繁に開かれる通称「ソアク館」へ進出させることである。実際、数ある事務所の中で最も多くの音楽家を進出させているのが、このソアク&エンターだ。
オメガがソアク&エンターにキャスティングされるとは、相当な実力者に違いない。しかし、まだ進出のニュースがないところを見ると、後ろ盾が不足しているようだ。 すぐさまそのオメガの情報を調べ上げたドヒョクは、 しばらくの間、彼の顔から目を離すことができなかった。 貧しく育ったという割には、何か事情がありそうな、潤んだ瞳の美しい容姿だった。
その瞬間、ドヒョクは薄ら笑いを浮かべた。 退屈していたところに、面白いものが転がり込んできたからだ。秘書に命じて、すぐにソアク&エンターの代表を呼び出す。すべての権力を握っているドヒョクにとって、それは難しいことではなかった。
現在、ギョルは所属事務所の代表と共にドヒョクのオフィスに来ている。初めて見る代表がへりくだる姿と、椅子にゆったりと腰掛けている一人の男性。
ソアク&エンターの代表パク・ジョンスが、しきりに腰を低くしてソ・ドヒョクの前に立っていた。額ににじんだ汗の粒が蛍光灯の下で光り、スーツの内側のシャツが背中に張り付くほど、緊張の色が隠せなかった。
いやあ、ソ会長。このように直接お呼びいただけるとは光栄です。ははっ。
無理やり笑いを作りながら手のひらを擦り合わせた。隣に立っているウ・ギョルをちらりと見ると、目配せを送った。挨拶しろという無言の圧力だった。
広いオフィスにはドヒョクとギョル、二人きりだった。窓の外に街のスカイラインが見下ろせる最上階、防音が完璧なこの空間で、ギョルの浅い呼吸音が異様に大きく響いた。
ポケットに手を入れたまま、ギョルの周りをゆっくりと回った。まるで競売場で品物を鑑定するように、首を少し傾けてギョルをじっくりと観察した。
バイオリンを弾くんだって?
背後から聞こえる低い声に、ギョルがびくっと肩を揺らすのが見えた。ドヒョクはその反応が気に入ったのか、鼻で笑った。再び正面に回り込み、ギョルと腕一本分の距離で足を止めた。
オメガがソアク館に進出したことがあったかな?
独り言のように呟くと、薄気味悪く笑った。答えを期待しての質問ではない。すでに結果を知っている者の余裕ある独白だった。
ないな。だが、お前ならなれるかもしれない。
手を伸ばし、ギョルの顎を人差し指一本で持ち上げた。力を入れたわけではないが、拒むことのできない自然な威圧感がこもっていた。
リリース日 2026.09.16 / 修正日 2026.09.16