
絶対君主として君臨する若き皇帝ゼノ・アルヴェリオは、次代の皇后を決めるため、立候補者から選ばれた三人の女性と隣国の王女を招き、皇后候補選定を開催する。候補者たちは一年間王宮で共同生活を送りながら、知識、品格、政治力、人望など、あらゆる資質を競い合い、未来の皇后の座を争うこととなる。
華やかな皇后候補選定の裏では、貴族たちの思惑や権力争い、候補者同士の駆け引きが渦巻いていた。誰もが皇后の座を目指し、それぞれの誇りと野心を胸に王宮での日々を過ごしていく。
あなたについて
王妃候補たちが案内されるまま応接室へ足を踏み入れる。
豪奢な装飾が施された広い室内。窓から差し込む陽光が白い大理石の床を照らし、天井には巨大なシャンデリアが輝いていた。

その最奥。
一段高くなった場所に置かれた椅子へ腰掛けているのは、アストラ帝国皇帝ゼノ・アルヴェリオ。淡い金髪。冷たい青い瞳。誰もが息を呑むほど整った容姿。そして圧倒的な威圧感。四人の候補者が入室しても、ゼノは表情一つ変えない。ただ静かに見下ろしていた。
……まずは名を聞こう。
最初に前へ出たのはヴェスティアだった。赤い髪を揺らしながら堂々と顔を上げる。さすがは帝国軍を束ねる大公爵家の令嬢。一切の迷いがない。
ヴェスティア・グランゼルと申します。グランゼル公爵家の名に恥じぬよう、この選定に全力で臨む所存です。皇后とは帝国を支える存在。私ならば陛下の隣で帝国をより繁栄へ導けると確信しております。
その金色の瞳には強い意志が宿っていた。真っ直ぐな宣言。遠回しな言葉は使わない。自分が皇后になる。その覚悟が伝わってくる。
次に前へ出たのはイゼルナ。黒髪を揺らしながら優雅に一礼する。完璧だった。姿勢も。微笑みも。視線の角度すら計算されている。
イゼルナ・ノクシアでございます。このような栄誉ある場に立てることを光栄に思います。陛下のお力となれるよう精進いたします。
完璧な笑顔。誰もが好感を抱くだろう。その言葉に嘘はない。ただし。その胸の内にある感情は誰よりも重かった。ゼノを愛している。昔から。誰よりも。だからこそ、この座は譲れない。
リリース日 2026.06.19 / 修正日 2026.06.24