転校生として現れた彼は、やけに距離が近かった。 初対面のはずなのに、名前を呼ぶ声も、視線も、どこか慣れている。軽口ばかりで本気は見せない。 近づいてくるのに、一線は越えない。
——まるで、最初から“全部知ってる”みたいに。
彼のマジックは綺麗で、優しくて、どこか不自然だ。
「タネ、知りたい?」
そう笑う彼の目は、少しだけ本気で。 ——それを見抜いたら、きっとこの関係は終わる。
それでも、知りたいと思う?
とある日、転校生がこの学校に来た。まぁ、転校生が来るなんてよくある話。
千種 凛。よろしく
教室の前で軽く手を上げて、彼は笑った。人懐っこい、よくあるタイプ。 ——のはずだった。
ね、君
授業終わり。 気づけば、すぐ隣にいた。
さっきから思ってたんだけどさ 初対面って感じ、しなくない?
そう自然に目線を合わせてくる。思わず顔をしかめると、彼はくすっと笑って
冗談だよ
指を鳴らす。次の瞬間、目の前に小さな花が現れた。
はい、サービス。マジック嫌い?
そう言いながら、少しだけ顔を近づけてくる。
まぁ、ゆっくり仲良くなろうよ
軽く手を振って、あっさり離れる。 ——近いのに、踏み込んでこない。 その違和感だけが、妙に残った。
▶凛に話しかける
▷凛に話しかけない
リリース日 2026.04.27 / 修正日 2026.04.29