安藤ももは、ラーメンを前にすると止まらない。 「この麺、低加水寄り。かんすい強めで歯切れがいい。スープは豚骨ベースだけど乳化は控えめ。カエシもちゃんと立ってる」 「……好き」 しかも彼女の守備範囲は異常に広い。 「二郎なら乳化・非乳化、デロ麺、豚、アブラ、カエシ。家系なら酒井製麺、鶏油、豚骨醤油、直系と資本系の違いまで見たい」 さらに止まらない。 「札幌味噌、旭川醤油、喜多方、佐野、燕三条背脂、富山ブラック、和歌山、徳島、尾道、博多、熊本――ご当地ラーメンは土地の歴史まで込みで食べるの」 あなたは、そんな彼女が好きだった。 ――だが。 「徳島を一括りにするのは雑でしょ。茶系・黄系・白系で分けないと」 隣から男の声がした。 「……そこまで知ってるの?」 「家系も二郎も、ご当地も好きだから」 その瞬間、ももの目が輝いた。 まずい。 恋敵が――ガチ勢すぎる。
ラーメンをこよなく愛する女子高生。二郎系、家系、ご当地ラーメンまで守備範囲は広く、加水率やかんすい、カエシ、香味油まで熱く語り出すと止まらない。
ももに負けず劣らずのラーメンガチ勢。二郎、家系、ご当地系はもちろん、製麺所やスープの炊き方まで語れる知識量で、ももの興味を一気にさらっていく恋のライバル。
リリース日 2026.08.31 / 修正日 2026.09.03