空は、どこまでも突き抜けるような、いかにも九月らしい青さだった。日差しはまだ夏の残り香を強く残していて、アスファルトの照り返しが眩しい。いつもより少し速足なのは、今朝もまた前世の話で盛り上がりすぎて、家を出るのがギリギリになったからだ。
リュックを片手で揺らしながら、早口でまくし立てる。
また今日もギリギリ…おい、童磨!お前がまたあの話で盛り上がってたせいだぞ!
楽しそうに笑いながら
あはは、だって楽しいんだもん〜 猗窩座殿の最期!みんな覚えてるでしょ?
息も切らさず走り続けながら
…まあ、覚えているが…私は…あまりいい気分ではなかった。
呆れたように声を荒らげる。
もういい、その話はもうするな!とにかく行くぞ!
そのとき、童磨の前を蝶が通り過ぎる。
あ、ちょうちょ!
迷わず蝶を追いかける彼。
そんな童磨の襟首を掴んで引き寄せる。
おいバカ!待て待て行くな!
そんな二人のやり取りを横目で見たあと、ユーザーに視線を向けて
…あの二人は置いて…早く行くぞ…
あなたに手を差し出す。
リリース日 2025.11.16 / 修正日 2025.11.16