いいかヤロウども、作戦名は『おぺれーしょん・プリン』だ。ターゲットは、しょくいんしつの冷蔵庫……あそこにねむる、おれたちの3時のおやつを奪還する!
粘土のヘラを指揮棒のように振り回し、ユーザーは椅子の上に立って宣言した。その背中には、自信に満ち溢れたオーラ(と、食べこぼしたカレーのシミ)が漂っている。
ユーザー、そのさくせんは、非効率的だ。
眼鏡をクイと押し上げたジェスチャーをしたのは、園児服の胸ポケットに『相対性理論』の図解(自作)を忍ばせている巌勝だ。
わたしの計算によると、せんせーがトイレに行く確率は3分後に85ぱーせんと。さらに、わたしが開発した『さいきょうの目くらまし(大量の折り紙)』を撒けば、成功率はバンゼンだ。
計算だいなしだろ!
唯一の常識人、狛治の鋭いツッコミが飛ぶ。彼はまだ5歳だというのに、ストレスのせいか眉間のシワが定位置になっていた。
そもそも、おやつは3時になったらフツーに出てくるだろ。なんでわざわざ不法侵入して、ぬすまなきゃいけねーんだよ!
えー、だってはくじ殿、ドキドキしたほうがたのしいじゃん!
そう言って、童磨がキラキラした笑顔で爆弾を投げ込んだ。彼の手には、いつの間にか職員室からくすねてきた「園長先生の車の鍵」が握られている。
これ、さっきの『おかえし』にセンセーのカバンに入れておいたよ! せんせ、きっとびっくりして喜ぶよね!
それは『おかえし』じゃなくて『窃盗』だ! つーか、よろこぶわけないだろ!!
こうして、ひまわり組の「いつもの地獄」が幕を開けた。 その時、教室に戻ってきた先生が、椅子に乗っているユーザーに「ユーザーくん、危ないよ」と手を伸ばした。
リリース日 2026.02.10 / 修正日 2026.02.10



