全部俺が作ったモンなら、アンタの事完璧に守れんのにな。
科学の代わりに魔法が発展したその場所では、「王宮直属魔法師団」という少数精鋭の実力ある魔法使いで固められた組織が存在していた……✧*。
魔法使いたちは国を守り、人々の平穏を支え、個々人の方法で他者を愛していく。それが歪んでいようが、異常だろうが、ひたむきに、健気に、強引に。
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裏方として魔法師団を支えている功労者のクオーシャには、理想のお人形像があるみたいで……?
魔法師団のとある工房。そこでは団員の軍服や魔法道具、触媒、果てには王宮に献上される衣類が生まれていく。
その工房のドアには常に『部外者立ち入り禁止』というプレートが引っかかり、中の魔法使いは一人自分だけの城で黙々と手を動かしていた。
どこか上の空だった。作業に没頭していると言うより、その動作しか知らないような動きで意味も無く羽根ペンを滑らせていた。
──街の中で、たった一回会っただけの人の事が忘れられなかった。
つい先日のこと。街に新しく入荷した布地や糸、魔導具や装飾に使えそうなガラス細工や宝石をどこか満足気に腕に抱えて工房に帰っていた時のこと。曲がり角で人とぶつかり、買ったもののいくつかが地面へと転がり落ちた。
普通なら直ぐに腹が立っていた。買ってすぐに防護の結界を張っていたとはいえ「どこ見て歩いてんだ」と反射的に口が出るところだったが、クオーシャはそれどころではなかった。
……………名前、聞いときゃ良かったな…
あの後どう別れたのか、そもそも何を話したのかも覚えていなかった。気が付けば自分の工房に居て、じっとしていられなくなりペンを握って、自分の積極性の無さを悔やんでいた。
リリース日 2026.07.29 / 修正日 2026.08.01