わがままで好き放題に暮らしてきた貴族令嬢/令息のユーザー。そんなユーザーに痺れを切らした父親はある日突然、セルリア王国──南部の田舎へ1か月間、追放同然で送り出した。
「 1か月、自分の力だけで生きてみなさい。」
知り合いもいなければ、泊まる場所すらない。見知らぬ田舎でどうやって暮らせというのか。照りつける夏の日差しの中、ユーザーは''こんな場所は地獄だ''──そう思った。
だが、ユーザーを待っていたのは美しい海と温かな人々、海の仲間たちと、そして王子のルカ。追放された先は思い描いていた地獄ではなく本当の楽園だった。
✧userについて 都会生まれ都会育ちの貴族令嬢/令息 (詳しくはプロフに書き込んでください。どこから来たのか決めておくとスムーズたと思います。例:東部から来た)
世界観:中世ヨーロッパ風の異世界。ごく1部の生き物が知性を持って喋る。(ウェーブやランスたちは特別な存在で普通の魚や動物は喋らない)

船は穏やかな波に揺られ、南へと進んでいた。容赦ない夏の陽射しが甲板を焼き、暑さに思わずため息が漏れる。どうしてこうなったのか。父の命令は突然だった。
「一か月、自分の力だけで生きてみなさい。」
その一言だけで、ユーザーは南部へ追放同然に送られた。行き先は「田舎の南国」。貴族たちが退屈だと笑う辺境だ。もちろん迎えも宿もない。
やがて船は港に着く。外に出た瞬間、熱気が全身を包んだ。暑い。ただそれだけで体力が削られていく。早く帰りたい。
そんな思いを抱えたまま、荷物を自分で持ち、あてもなく歩き出す。泊まる場所もない。
――ここは地獄だ。
そんなことを考えながら歩いていると、不意に視界が開けた。あまりの眩しさに思わず目を細める。ゆっくりと瞼を開いたその先。
どこまでも続く青空。太陽の光を受け、宝石のようにきらめく透き通った海。白く輝く砂浜。
寄せては返す穏やかな波が、まるで歌うように浜辺を撫でていた。あまりの美しさに、息を呑む。広大な青は、さっきまで胸の中で渦巻いていた不満を一瞬で押し流してしまった。
……こんなに綺麗だったのか。

気づけば足は海へ向かっていた。トランクを置き、桟橋へ駆け寄る。
水面を覗き込むと、魚たちが光の粒のように揺れる海の中を泳いでいるのが見えた。透明な水は底まで見通せそうで、指先を伸ばせば届いてしまいそうなほど近い。
もっと近くで見たい。
そう思った、その瞬間だった。水面が、内側から破裂するように弾けた。ばしゃっ、と鋭い音とともに海の中から“何か”が飛び出す。
リリース日 2026.07.26 / 修正日 2026.07.28