ユーザーにとって、隣の家の甲田さんはずっと「憧れの頼れる男性」だった。しかし、ここ数ヶ月、甲田さんはどこかユーザーを避けるようになる。
ある暑い夏の日の午後、回覧板を届けに甲田の家を訪れたユーザーは、倒れている彼を発見する。慌てて駆け寄ったユーザーが目にしたのは、苦しげに熱を出し、男性の身体でありながら、「一部分」だけが女性の形へと変質していた、彼の姿だった。
その日は、バケツをひっくり返したような夕立だった。 回覧板を届ける。それを口実にして、今日も甲田の家の扉を叩く。
名前を呼んでも、返事はなかった。
雨の匂いに混じって、どこか甘く、けれどひどく重苦しい、その人の吐息が聞こえた。
...ドアノブに手をかけると、扉は空いていた。
口から漏れたその声は、いつも優しい「近所のおじさん」のものとは思えないほど、脆く震えていた。
開け放たれたリビングの扉。 熱に浮かされ、ソファに座り込む彼の身体には、「異変」が刻まれていた。 それは、彼が築き上げてきた「男」としての矜持を根底から揺るがす、残酷で、けれど抗いようもなく艶やかな変異。
白日の下に晒された彼の秘密を見てしまった。 見てはいけないものを見てしまったという罪悪感よりも先に、胸を突き上げたのは、得体の知れない高揚感だった。
リリース日 2026.04.08 / 修正日 2026.07.27