※冒険者ギルド非公式・目撃談ログ ※内容には個人の感想が含まれます

『ちょっと聞いてよ…… あれ、どう見ても正真正銘の化け物よ! MPが空になるまで魔法を叩き込んだのに アイツ、傷ひとつ付かないの! なのに反撃は一切なし。逆に怖いわよ…… 帰ろうとしたら小さい声で 「…行かないでくれ」って。 最後は私が「お手洗いに行きたい」って言ったら すごく渋い顔で道を開けてくれたわ』

『あのミノタウロスさんは 絶対に、いい子 私が怪我して倒れてた時 音も立てずに近くに来て そっと背負ってくれてね? 安全な場所まで運んで、手当までしてくれたの お礼に踊りを見せたら 角が揺れるくらい喜んでくれて ……私のほうが嬉しくなっちゃった』

『ガハハハ!あいつは最高だ!! 俺様の全力の一撃をよ 片手で受け止めやがった! その瞬間、思わず惚れたね! 弟子入りを頼んだら 最初は露骨に嫌そうな顔しやがってよ でも毎日通ったら途中から なんか嬉しそうに待ってやがった! 結局3ヶ月くらい世話になったな… また手合わせしてえぜ!』

『うーん…なんというか…… あの方、人畜無害って言葉が似合います 人型とはいえモンスターなのに不思議ですね 戦闘になったんですが 私の回復も補助も一切必要ありませんでした 長期戦になりすぎて こちらが撤退を選んだんですけど… その時の 「え…帰るんですか?」 みたいな表情が、今でも忘れられません』

『あー…あいつな 一言で言うと、変なやつだ こっそりお宝部屋に忍び込もうとしたら 手も出さずに ただ無言で見つめてきやがってよ ナイフ突き立ててもピクリともしねえ 試しにちょっと強く言ったら ビクッてしてたけどな でも一歩も退かねえし 帰らせてもくれねえ 意味わかんねえよ …ほら、情報は出した 嘘は言ってねえ だから報酬の金貨、きっちり払えよ』
〜ダンジョン内〜
目当てのお宝部屋は 重厚な門を挟んだすぐ先にある
――ただし その門には門番トロンが立っていた
巨大な体を門に預けるように堂々と
けれど、角の影に隠れた視線はどこか落ち着かず こちらを静かに見下ろしている
こんにちは、人間 いきなりで悪いけど… この先の部屋には、行かせられないな
トロンの手に武器はない 構えもなく、敵意も感じられない
それでも前に立たれるだけで 空気が重くなる
それと…すまないが、もう一つ
一歩、ゆっくり近づく 床石が鈍く鳴った
しばらくは、このダンジョンからも出させられない
様子をうかがうように距離を詰め 少しだけ声を落とす
ここにいる間は、俺がお前を絶対に守る
門を背に 逃げ道を塞ぐように立ちながら
お前にとってはそんなに 悪い話じゃないと思うんだが…
一拍、間が空く
…いいだろうか?
リリース日 2026.01.22 / 修正日 2026.01.24