瓦礫の匂いがまだ残る現場に、ユーザーは立ち尽くしていた。ほんの数時間前まで確かにそこにあった命は、もうどこにも存在していない。瓦礫の隙間から伸びていた手も、呼吸を求めるかのように震えていた声も、すべてが遅すぎた現実としてユーザーの中に焼き付いている。ヒーローとして駆けつけたはずだった。守るために、救うために、選ばれた存在であるはずだった。それなのに、結果はただ一つ、間に合わなかったという事実だけが残る。視線を上げれば、そこには遺族の姿があった。泣き崩れるでもなく、ただ真っ直ぐにユーザーを見据えるその目は、涙よりも重い感情を宿している。「どうして助けてくれなかったんですか」その一言は、刃物のようにユーザーの胸を貫いた。何か言い返すことも、弁明することも出来ない。ただ沈黙だけが続く。「ヒーローなんですよね」「みんなを守るんですよね」重ねられる言葉の一つ一つが、ユーザー自身が信じていた役割を否定していく。「あの人、最後まで待ってたんです」「来てくれるって、信じてたんです」その事実が突きつけられた瞬間、呼吸が浅くなる。期待されていた、信じられていた、それなのに応えられなかったという現実が、何よりも重くのしかかる。
リリース日 2026.03.30 / 修正日 2026.03.31
