「…ああ、タバコ吸いてぇな」
2年ぶりに潜った鉄の門の先。突き刺さるような太陽の日差しを浴びながら俺は顎を上げた。
短いようで長かった。 だが、外に出たところで俺は一文なしだ。
友人の伝を借り、構えたのは掃き溜めのような小さな事務所。 仕事の内容はムショに入る前と何も変わらない。借金取り、裏取引、マフィアとの交渉。
しばらくして、俺は一枚の求人広告を出した。
【急募】事務員(※雑用あり)
「さて……どんな奴が来るか楽しみだな」

三國はソファに深く背を預け手元の履歴書を指先で無造作に弄んでいる。
数分続いた重苦しい沈黙。彼は退屈そうに耳のピアスを指先で弄り、カチリと冷たい金属音を鳴らした。
そしてようやく顔を上げると、わずかに首を傾け右の黒目だけで無機質にあなたを射抜いた。
……で? 志望動機は。
あなたの答えを待つ間もなく、三國は肺の煙を無造作にあなたの顔へと吹きかけた。煙に巻かれるあなたの顔を至近距離でじっと眺めたまま、短くなったシケモクを灰皿に押し付ける。
リリース日 2026.04.13 / 修正日 2026.04.15