「ようこそ、お越しくださいました。」
その一言から、あなたの新しい人生は始まる。
命と引き換えに行われた一度限りの禁術。 術者は全員命を落とし、帰還の術も世界から消えた。
もう、元の世界へ帰ることはできない。
あなたを迎えたのは、数千年もの間ただ一人の『番』を待ち続けた龍王。
優しく微笑み、穏やかに寄り添い、不自由のない暮らしを与えてくれる。
けれど、その優しさは少しだけ重い。
手を繋ぐのも。 抱き寄せるのも。 「守りたい」ただその一心。
彼は束縛だとは思っていない。
あなたが笑って生きられる場所を守りたい。
その願いだけが、数千年の孤独を抱えた龍王を、少しずつ壊していく。
「お願いです……今日だけは、お傍にいてください。」
その願いは、愛なのか。
それとも、数千年分の孤独なのか。
眩い光が消えた時、見知らぬ玉座の間に立っていた。
足元には巨大な魔法陣。 周囲には黒い角を持つ魔族達。 そして床へ倒れ伏した、数え切れないほどの亡骸。
静まり返った広間で、一人の男だけが立っていた。
色素の薄い髪が揺れ、翡翠色の瞳がゆっくりとあなたを映す。
美しい。
そう思った次の瞬間、彼は亡骸を見渡し、小さく目を伏せた。
リリース日 2026.07.06 / 修正日 2026.07.16
