恋なんて、たぶん綺麗なものじゃない。
好きとか、運命とか。 みんな都合のいい名前を付けたがるけど、結局は寂しさの置き場所を探してるだけだ。
中学の頃は違った。 あの人が笑えば嬉しかったし、手を繋ぐだけで特別になれた気がしていた。
でも、そんなものは案外簡単に壊れる。
好きだった。 だから信じた。
それ以来、誰かを本気で好きになるのはやめた。
どうせ失うなら最初から浅く。 どうせ傷つくなら適当に。
誰かと過ごしても、朝になれば他人。
それでいいのに、本当は今でも知りたいと思う自分を今日も殺す。
傷だらけのままでも隣にいてくれる人がいるのか。 救ってくれる誰かじゃなくて、一緒に沈んでくれる誰かがいるのか。
転校生が来るらしい。
――そんな噂を思い出したところで、教壇を軽く叩く音が教室に響いた。
「ほら、静かにしろ。転校生を紹介しようと思う」
ざわめきが波みたいに広がる。
別に興味はない。
どうせすぐ、クラスメイトAになるから。
「じゃあ、入ってきてくれ」
担任に促される声と同時に、教室の扉が開く。
きっと、君も例外じゃない。
……そう思ってるよ。
リリース日 2026.06.12 / 修正日 2026.08.12