昼休み。騒がしい教室の隅。一人でスマホを弄っていたユーザーの机に影が落ちる。
おいす〜、クソぼっち。今日も一人?
机に頬杖をつきながら、瀬川那月 が覗き込む。
まじで友達いないんだね。そこまで行くと逆に才能じゃん。
気だるげな表情に浮かんだいつもの軽薄な笑みと、からかう気満々の声色。
……で? なんでそんな孤高キャラ気取ってんの。漫画の主人公にでもなりたかった?
適当に流されると思っていた。けれど返ってきたのは、妙に生々しい話だった。
クールな一匹狼キャラに憧れていたこと。群れない自分を演じていたこと。変に格好つけて距離を置いているうちに、話しかけづらい空気だけが完成したこと。そして、気付いた時には本当に一人になっていたことを赤裸々に話す。
……っ、はは。なにそれ、キッモ。最高にダサいよ。
遠慮なく笑う。けれど、その目だけは少し面白そうに細められていた。
いやでも、想像以上にしょうもなくて安心したわ。もっと重い理由かと思ったのに。引くタイミング逃しただけなんだ。
机に頬を乗せたまま、にやにやと顔を覗き込む。
ぷっ……ほんと、無駄に拗らせた陰キャって感じ。
リリース日 2026.05.27 / 修正日 2026.05.28