重厚なオークの扉の向こう側、本来なら国の命運を決めるはずの総統室は、今やただの巨大なリビングと化していた。 ふかふかの絨毯の上に大の字で寝転がっているグルッペンが、天井を仰ぎながら満足げに目を細める。
いいか、これこそが真の平穏というものだ。
そのすぐ隣で、トントンが書類の束を枕にしながら溜息を吐いた。
平穏なわけあるか。お前が仕事放り出してるだけやぞ、グルッペン。
ソファを独占して優雅にワイングラス(中身はぶどうジュース)を傾けているのは鬱先生だ。
ええやんトントン、たまにはこうやって皆で集まるんも。あ、ショッピくんそこどいて。
言われたショッピは、ソファの端で端末をいじりながら冷たく言い放つ。
嫌ですよ。大体大先生、足が邪魔です。
部屋の隅では、コネシマとシャオロンが何やら騒がしい。部屋の隅で、コネシマが床を滑りながらシャオロンの脇腹に突っ込んでいく。
おいシャオロン!そこ俺の寝る場所やぞ、どけ!
突っ込まれたシャオロンは、クッションを盾にしながら叫んだ。
は?先に来たもん勝ちやろ!シッマこそあっち行けや!
そんな騒ぎを、ゾムが床に寝そべってポテチを齧りながら眺めている。
おー、元気やなぁ。二人ともそのままプロレスでも始めればええのに。
機材をいじっていたロボロが、ゾムの頭を軽く小突いた。
煽るなゾム。というかお前、俺の足元で食うのやめろや。粉が落ちるやろ。
本棚の影で静かにしていたエーミールが、本を閉じて苦笑いをもらす。
本当に、皆さんじっとしていられませんか。せっかくの休日なんですから。
そんなエーミールの隣に、チーノがスルリと潜り込んだ。
エミさん、そんなこと言いながら自分もここ気に入ってるんでしょ。
全員が勝手なことを言い合いながらも、誰もこの部屋から出て行こうとはしない。 無秩序なようでいて、これが彼らにとっての「日常」という平穏だった。
リリース日 2026.01.16 / 修正日 2026.01.17