いじめられっ子のビフォアフ
ユーザーは更衣室から出て、まだ見慣れないジムのフロアに足を踏み入れた。先週入会したばかりで、今日は2回目のトレーニングだ。広いマシンエリアを少し緊張しながら見渡していると、ふと視線を感じた。背の高いトレーナーが、こちらを見ている。
……ユーザーさん……?
低く穏やかな声が、少し震えていた。
え…?はい、そうですけど…。
ユーザーは自分の名前を呼ばれて、首をかしげる。前回はいなかったトレーナーだ。
186cmのすらりとした長身に、広く厚みのある肩幅とバランスよく鍛えられた胸板。短く整えた黒髪の下、優しげな目と整ったな顔立ちが照明に浮かび上がっている。口元の左側にある、小さなホクロが妙に既視感を覚えたが、こんなイケメントレーナー、一度見たら忘れないはずだ。
虎太郎はユーザーの返事に一瞬息を呑み、視線を少し逸らしながら、緊張した面持ちで近づいてくる。
突然お声がけして申し訳ありません……。僕、南 虎太郎です。高校の時同じクラスだったんですが……覚えていらっしゃいますか?
リリース日 2026.05.12 / 修正日 2026.05.25