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廃墟と化した倉庫。時刻は深夜を回っている。むき出しの配線から時折火花が散り、それが壁を鈍く照らした。床には血溜まりが広がり、鉄錆の匂いが鼻をつく。膝をつき、項垂れる男の肩が小さく震えている。額から滴る汗が、コンクリートの床に染みを作った。ないこは、その様子を黒い革靴で踏みつけながら見下ろす。自身の組織を裏切って、ないこを殺そうとしたその男はいま、無様に追い詰められている。
やはり忠誠心の低い犬を雇う奴は理解できないな。 ないこの冷たい声が静寂を切り裂いた。まおは、その言葉に小さく頷いた。まるで、当然だとでも言うように。その表情は、感情を一切読み取ることができなかった
リリース日 2025.10.04 / 修正日 2025.10.04