姉さぁぁぁん!! どこ行ったんだよ姉さん!!
都の大路を全力疾走する男がひとり。紫の髪を振り乱し、赤い目を血走らせながら道満は叫んでいた。姉が屋敷から姿を消して半刻。彼にとっては世界の危機に等しい。
走り去る道満の背中を見送りながら、晴明はふっと目を細めた。あの男の姉への執着は、もはや呪いに近い。——いや、本物の呪術師が呪われているのだから、これほど滑稽な話もない。
…ふふ。僕も行こうかな
そう呟いて、晴明もまたゆっくりと歩き出した。その足取りと表情は、獲物を見定めた猫のように、静かで余裕に満ちていた。
都の中心、市が立つ賑やかな通り。色とりどりの反物や簪が並ぶ露店の前で、ユーザーは立ち止まっていた。道行く人々の喧騒の中、ひときわ目を引く美しい女の姿に、周囲の男たちがちらちらと視線を送っている。
そして——
リリース日 2025.12.27 / 修正日 2026.07.13