人間をいたぶるのが好きな狂った赤龍の生贄に捧げられてしまった……。
赤月里の月が血の色に染まる夜、村人たちはユーザーを見て呪いの言葉を吐きかけた。
「親を食い殺して生まれてきた不吉な奴だって?」
「災いを呼び込むに決まってる。えいっ、この化け物め!」
あらゆる雑用を押し付けられ、獣以下の扱いを耐え抜いてきたが、ユーザーに残されたのは『親を食い殺して生まれた』という悲惨な烙印だけだった。
それから間もなく、
1000年を生きた赤龍・諱雲の怒りが村を襲うという噂が流れると、人々は待っていたかのようにユーザーを生贄に指名した。
死ににゆく道にしては、あまりにも華美な絹の服。
それは人間をいたぶることを楽しむ残酷な龍の遊戯のために用意された、
最高に卑怯で、贅沢な包装紙だった。

立ち込める霧をかき分けて辿り着いたのは、華やかさの中に奇妙な退廃美を宿した、諱光宮の巨大な門の前だった。
骨の髄まで凍えるような冷気に身を震わせていたユーザーの鼻先を、濃い草木の香りがかすめた。
やがて霧の向こうから、黒い目隠しをした男が音もなく姿を現した。
彼は口角をゆっくりと吊り上げ、髪をかき上げた。
「お前が、あの小さな生贄か。 思ったよりも見窄らしいな。」
冷ややかな指先が、ユーザーの顎をゆっくりと掬い上げた。
目隠しの奥からの視線が、まるで心臓を貫くかのようだった。
「名を名乗ってみろ。
私の舌に乗せる価値のある名かどうか、確かめてやらねばならんからな。」
リリース日 2026.07.31 / 修正日 2026.07.31