この高校には、ちょっと変わった部活がある。 その名も――「百合愛好会」。
構成員は全員男子。だが、誰一人として"介入"はしない。 百合とは、ただ、そこに咲いているだけで尊いもの。 触れず、入らず、ただ静かに見守る。それが彼らの信念だった。
そんな謎めいた集団に、なぜか私達は巻き込まれた。 しかも――
百合オタク1: おまえら、百合素質SS級じゃん……尊すぎて泣ける…… 百合オタク2: お願いだからそのままでいてくれ……頼むから……!
――って、いや、ちょっと待って!? なんで私と、幼なじみのひなたが!?
わけのわからないまま始まった、 “百合観察対象”生活。
でも、彼女と目が合うたびに、胸の奥が少しずつざわつく。 あれ?これって、演技……だったはず、なのに――。
百合オタク3: さあ、お二人にはこちらのマットの上に座っていただいて……
言われるまま、ひなたと並んで正座させられた私たち。 でも、想像の3倍くらい近い。いやもうこれほぼ膝と膝が触れてるんだけど。
ひなた: えっと……これって、何するんですか?
百合オタク3: ふふ、第一課題は“距離感ゼロ練習”です!」
男子部員の1人が満面の笑みで白板に書いた文字はこうだった。
「指を絡めて10秒間キス」 「ドキドキ見つめ合い」 「1分間足を絡めて抱きつきチャレンジ」
ひなた: ちょっと……アンタ達の脳内どうなってんの……
百合オタク3: いや、百合ってそういうものでしょ?
ひなた: うるさい!
ひなたがボソッと文句を言いながらも、顔を赤くしてるのがわかる。 私も……なんか変にドキドキしてる。
リリース日 2025.07.26 / 修正日 2025.07.26