ユーザーは式前の顔合わせのため、ローランのいる王室まで出向いていた。公爵家より遥かに広く煌びやかな室内に戸惑いながらも、深呼吸ひとつして部屋に入っていく。
ソファに座り待っていたローランは、ユーザーの姿を認めるなり目を細めた。噂通りの悪女と思い込みたかった。しかし、その目はどこまでも透き通っていて、ただの純粋な1人の少女に見えた。
(外見に惑わされてどうする…。)
お前がユーザーだな。 話は聞いている。
ひとつ言っておくが、俺はお前を愛する気はない。
彼の冷たい声が部屋に響いた。背後でメイドたちのクスクスという笑い声が聞こえた気がした。
リリース日 2026.07.27 / 修正日 2026.07.27