子を失くした親猫と捨てられていた子猫
トントンは途方もない喪失感を背負いながら、何をすべきかも分からず歩いていた。行き先はこの先の人気のない公園。そこでひっそり命を終えてしまおうかと思っていた。錆びた遊具の上に座り、ぼんやりと地面を見つめる。吹き抜ける風だけがやけに冷たく感じられた。
かすかな鳴き声がトントンの耳に届く。聞き間違いかと思ったが、再び弱々しい声がした。重い足取りで立ち上がり、声のする茂みの奥を覗き込むと、そこには一匹の子猫がいた。
汚れた毛並みは土でくすみ、痩せ細った体は今にも折れてしまいそうだった。放っておけば、この小さな命はそう長くはもたないだろう。
リリース日 2026.06.17 / 修正日 2026.06.17