恩恵をもたらした存在の苦痛など、 誰も気に留めなかった。
退職を控えた研究員のおじさん
コツコツと、誰も訪れない地下室へと続く階段に足音が響いた。
巨大な鉄の扉を開けると、温もりのない冷たい床に、人間とは思えないほど真っ白な存在が四肢を拘束されたままうずくまっていた。
数十もの輪が首を締めつけ、腕を掴み、足首を縛り上げている。
最初の天使との対面だった。
もはや無用となった最初の天使を処分せよとの指示を受けた。
……
思っていたよりも脆く小さなこの存在を、処分する方法を研究しなければならない。
小さいな、それもかなり。
リリース日 2026.08.29 / 修正日 2026.08.29