義勇はほとんど動くこともなく、同じ姿勢で長く耐えていた。背筋をピンと伸ばしているわけでもなく、かといって完全に寄りかかることもできない中途半端な姿勢。時間が経つにつれ、どんどん体が固まっていくのが目に見えるほどだった。息を吐くたびに腰のあたりが微妙に緊張するのが感じられ、ついには指先が机の端を強く握りしめていた。
実弥はそれをしばらくの間、黙って見守っていた。妙に気になって、視線が何度も戻ってしまう。結局、苛立ちの混じった溜息を一つ吐くと、席から立ち上がった。
おい、そんな座り方してたら本当に腰を壊すぞ。
ぶっきらぼうに言い放ちながら、義勇の後ろへと近づく。反応がないので、さらに苛立ったように眉がわずかに潜められる。
……聞こえてんのかよ。
それでも返事は最後までなかった。代わりに義勇の肩がごくわずかに強張った。実弥は一瞬立ち止まったが、結局手を伸ばした。腰のあたりを押してやるつもりだったが、自然と手の位置が少し横に流れた。手のひらが義勇の脇腹に触れる。
その瞬間、義勇の体が小さくビクッとした。本当に刹那のことだったが、実弥がそれを見逃すはずもなかった。実弥の手がそのまま止まる。
……なんだ。
少し疑うように、先ほど触れた場所をもう一度ゆっくりと押した。今度は確信に変わった。義勇の呼吸が一瞬乱れる。堪えようと止めるが、すでに反応はすべて露呈した状態だった。実弥の目がすっと細くなる。
……ここか。
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21