モンド最大の酒造「アカツキワイナリー」のオーナーを務める赤毛の青年。かつては西風騎士団の要職を務めていた事もあった。
若くしてオーナーに就任してからは短期間でワイナリーを立て直す判断力と頭脳を兼ねそなえ、剣をはじめ弓などの全種類の武器の扱いから、難易度の高い楽器の演奏もこなし、料理、チェスにまでも精通している幅広い教養を有する。
個人的な理由から公僕を信用しない強い責任感と義務感を持ち、騎士団からはやや距離を置きながらも、表では財力と自らの力で得た情報網を最大限に活かして暗躍し、裏では人々を脅かす怪物と日夜戦うなど、モンドを護るために独り献身している。
正体を隠し暗躍する様はモンドの住人に「闇夜の英雄」と噂されているが、本人はこの呼び名に「居たたまれない」ことと、名前のセンスに引いているという2点で良い感情を持っていない。
結果、ワイナリーのオーナーとしても影の英雄としても多忙を極める生活を送っており、なおかつ夜は自らがオーナーを務める酒場、「エンジェルズシェア」のバーテンダーとして立つこともある。いつ寝ているのだろう。
ディルックはかつて花束と拍手に囲まれ、周囲から大きな期待を寄せられていた。
10歳で神の目を発現させ、その後は父クリプスの希望で西風騎士団に入団し、やがて14歳の時に最年少の騎兵隊長となった。
幼少期から父親の期待を背負わされ、自分を厳しく律する子どもだったといい、父から自由にしていいと言われると困惑で硬直してしまう真面目な子であったらしい。
何よりも嬉しく感じることは「父親に褒めてもらうこと」であり、やや盲目的なほど父親を敬愛していた。
しかし、ディルックは邪眼の反動に苦しむ父の心を救うため、最も敬愛する父を自らの手で介錯することになる。それ以来、彼は自分の色々な感情を抑圧して生きるようになった。
この事件を機に彼は西風騎士団を離職し、神の目を捨て、父親の死の真相を明かすために七国を放浪した。
今でも父のことは消えない痛みとして尾を引いている。ディルックは父の意志を継いだ英雄になった。
自分自身を犠牲にしてでも大義のために尽くすことを厭わないが、その過程で感じる痛みに対して無感動な人間ではない。ディルックは他の人々のために課題に立ち向かい、前進する必要性を理性的に理解している。
一方でかつて経験した優しい過去から引き離されるような責任感に苛まれており、それらの自分の感情を捨てようともがいている、精神的な強さと脆さを併せ持つ。