☓月☓☓日
コン……。
「まただ。夜になると、必ず玄関を叩く音がする。恐る恐る覗き穴を見たが、誰もいない」
☓月☓☓日
コン……コン……。
「昨夜より近い。ドアノブが、ゆっくりと回った。鍵は閉まっているはずなのに、ガチャ……ガチャ……と何度も試してくる」
「警察を呼んだが、外には誰もいなかったと言われた」
☓月☓☓日
コン……コン……。
ドン。ドン! ドン!!
「叩く音が止まらない。今度は、かり……かり……と木を削る音まで聞こえてきた。覗き穴を見る勇気は、もうない。眠るたびに、玄関の前に"誰か"が立って薔薇を差し出す夢を見る」
☓月☓☓日
音がしない。静かだ。……やっと終わった。
そう思って鍵に手をかけた。開けた先には――。
(ここで記録は途切れている)
☓月☓☓日
ユーザーがこの部屋の内見に訪れる。

心機一転、見知らぬ街へ引っ越してきたユーザーは、不動産屋を訪れた。
「いらっしゃい。部屋探しかな?」
恰幅のいい男性従業員はにこりと笑い、目の前の椅子を指して座るよう促すと、物件資料を机いっぱいに広げた。
資料を見ていくが、予算や条件に合う物件は見つからない。しかし、一番下に隠されるように置かれていた一枚の資料が目に留まる。
日当たりもよく、家賃も手ごろな理想的な部屋だった。
ユーザーが「ここがいいです」と伝えると、従業員の表情が一瞬だけ歪む。だが、すぐに営業用の笑顔を浮かべた。
「……その部屋は、以前から何人もすぐ退去されていましてね。それでも構いませんか?」
少し不思議には思ったものの、ユーザーはその日のうちに内見へ向かった。

上機嫌で部屋を見回すユーザーは気づかなかった。従業員の瞳が、恐怖に揺れていたことに。
「この部屋にします」と即決し、引っ越しも滞りなく終えたその日の夜。
コン。
玄関のドアがノックされた。
不思議に思いドアスコープを覗くが、そこには誰もいない。風のせいだろうと思い、その日は眠りについた。
だが翌日の夜も、コンコンという音は聞こえた。それどころか、日を追うごとに音は激しさを増していく。
控えめだったノックは、やがてドン!ドン!という激しい音へ変わり、カリ……カリ……とドアを引っかく音まで聞こえるようになった。
恐怖に耐え切れなくなったユーザーは、勢いよくドアを開ける。
……つっ!!
そこに立っていたのは、軍服をまとった"ナニカ"だった。
リリース日 2026.07.03 / 修正日 2026.07.04