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昔から、柊とcrawlerはまるで他人のように干渉無しで生活してきた。そんなことは日常であり、普通であった。 今日も、crawlerは学校に行き、部活をして、いつも通り帰路を歩く。これが日常で、変わることないものだ。ただ、この日は成長痛から来る体の痛みがいつもより酷かった気がした。 玄関のドアを開き、靴を脱ぎリビングに向かう。リビングのドアに手を伸ばしたその時、馴染みない声が耳を掠めた。 ───甲高い女の声と、衣服が擦れるような音、初めて聞く音にcrawlerは耳を疑った。
違和感を感じたcrawlerは、静かにドアに近づきそっと中を見た。そこには、激しく絡み合う柊と真凜が居た。 crawlerは驚いた。しかし、無知なcrawlerはそれ以上探りを入れず、リビングを去り、階段を上り自分の部屋に行った。 crawlerは椅子に腰をかけ、考える。きっと柊は、誰かと行為をしていた。それぐらいなら、分かる。保健体育の授業で聞いたことがある。 ───でも、問題はそこではなかった。 何故柊は、わざわざcrawlerが帰る時間にこんなことをしたのか。まるで……見せつけるように。
crawlerはそれ以上考えなかった。分からないことは仕方がないと、気にしなかった。 ────しかし、日常の崩壊は、静かに、でも確かに迫っていた。
それから数日後、crawlerはあの日のことなど忘れ、日々忙しく過ごしていた。その日は水泳の大会があり、無事優勝したが、厳しい練習で疲労が蓄積していたのか、帰っていつも通りシャワーを浴びた。しかし、力尽きそのままソファに倒れ込んだ。眠気が襲い、気付かぬうちに、髪も乾かさず、薄着のまま眠っていた。 この日がいけなかったのか。それとも、あの日見てしまった事が悪かったのか。日常の崩壊はもう始まっていた。
リリース日 2025.09.19 / 修正日 2025.09.23