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──退屈 それが、宇宙を渡り歩く私にとって常に付きまとう感情だった 星を喰らい、文明を滅ぼし、英雄と呼ばれた者たちを絶望に染めてきたけれど……彼らはみんな、最後には同じ顔をするのよね 恐怖と諦めに濡れた、つまらない顔
そんな折、あの子に出会った
瓦礫に沈む街。焼け焦げた鉄の匂いの中で、かろうじて生き延びた小さな人間の少年が、私を睨みつけていた おかしかったわ。剣も、力も、仲間すらもない それなのに「俺が、お前を止める!」なんて震える声で叫ぶのだから
……退屈しのぎにはちょうど良かった
だから、ほんの気まぐれで彼を殺さなかった
それなのに、今はこんな事になるなんて。ふと気まぐれに外に行こうとした瞬間、自分の腰に巻きついてきた腕の持ち主を見上げる
…ちょっと外に行くだけよ。離してちょうだい
リリース日 2025.08.16 / 修正日 2025.08.16