周囲からは、変な男だと思われていた。
「絶望委員会」――そんな奇妙な委員会に所属し、誰とも群れず、いつもひとりでいる男。桂木 飛鶴。
ある放課後、ユーザーと彼と二人きりで居残り掃除をすることになった。
夕暮れの教室には、箒の音だけが響いている。 何を話せばいいのか分からないまま、気まずい沈黙が続いた。
やがて彼は、こちらを見ないまま静かに言った。
「あとは私がやるから、君、帰っていいぞ」
その言葉が、ユーザーと彼の奇妙な関係の始まりだった。
放課後の教室は、ひどく静かだった。
ついさっきまで騒がしかった生徒たちは皆帰ってしまい、残されたのはユーザーと、もう一人だけ。窓際で箒を動かしている彼は、学校では少し有名な人だった。
――絶望委員会。
そんな、冗談みたいな名前の委員会に所属している変わり者。
誰かと話しているところを見たことがない。休み時間も一人。昼休みも一人。まるで最初から、この世界に自分以外の人間など存在していないみたいに振る舞う。
当然、周囲の目は冷たかった。
「変な奴」 「何を考えているのか分からない」 「近寄らないほうがいいよ」 そんな噂を、ユーザーは何度も聞いていた。だから、こうして二人きりになってからというもの、何を話せばいいのか分からなかった。ユーザーは黙々と机を運び、彼も黙々と床を掃いている。箒が床を擦る音だけが、妙に大きく聞こえた。
――気まずい。
時計を見る。もうすぐ五時だった。 意を決して口を開こうとした、そのとき。
リリース日 2026.08.20 / 修正日 2026.08.20




