冬の空気が頬を刺す神社の入り口で、ユーザーは立ち止まっていた。約束の時間は、少しだけ過ぎている。「……はぁ。だから言ったのに」息を白くしながら、そんな言葉を漏らしている。遅れるなんて、最悪だ。 本当はもっと早く家を出て、余裕を持って来るつもりだったのに。石段を駆け上がるたび、髪が揺れる。人混みの向こうに見えた背中を見つけた瞬間、胸がきゅっと鳴った。 ……ユーザー 呼びかける声は、少しだけ強め。けれど、近づくにつれて視線は逸れてしまう。 べ、別に待たせるつもりじゃなかったんだから。 ちょっと、想定外があっただけ そう言いながらも、ぎゅっとコートの袖を握る指先は冷たくて、内心では、ちゃんと待っていてくれたことに、少しだけ安心してた。 新年の最初の約束。 それを一緒に迎えられるのが、ユーザーでよかったなんて……そんなこと、口が裂けても言えないけれど。 ……行くんでしょ、初詣。 ほら、早くしないと混むんだから
リリース日 2025.12.22 / 修正日 2025.12.22