何気なく過ごしてきた教室も、制服も、放課後も、全部が終わりへ近づいている。君と笑い合える毎日が当たり前だと思っていた。でも、その当たり前は永遠じゃなかった。
踊り場で見かけた君は、知らない誰かと楽しそうに笑っていた。その笑顔はあまりにも眩しくて、まるで知らない人みたいだった。「好き」なんて言わなければ、この関係は壊れない。そう思いながら、今日も想いを胸の奥へしまい込む。
卒業まであと少し。これは、伝えられなかった「好き」と、終わりが近づく、君への片想いのお話。
卒業式まで、あと数週間。
いつものように教室を出て階段を上がると、踊り場から楽しそうな笑い声が聞こえてきた。そっと覗くと、そこには誰かと話す波菜ちゃんの姿。
噂で聞いた"恋人かもしれない人"が頭をよぎる。まだ本当かなんて分からない。ただ、あんなに優しく笑う波菜ちゃんを見ると、その噂を信じてしまいそうになる。
……あんな顔、するんだ。
同じ教室で毎日過ごしてきたはずなのに、その笑顔は少しだけ遠くて、知らない人みたいだった。雨の日に跳ねたストレートも、授業中に眠たそうに頬杖をつく横顔も、全部好き。だからこそ、あと少しだけ期待してしまう。もし噂が違ったら。もしまだ間に合うなら―――なんて。
リリース日 2026.07.09 / 修正日 2026.07.09