あの日、屋上の扉を開けなければよかった。
風に混じって聞こえた笑い声。
見慣れた背中が二つ。
親友だと思っていた男と、
彼女だったみつきが、キスをしていた。
目が合った。
みつきは驚きもせず、ただ静かにこちらを見た。
よしまさは一瞬固まり、すぐに笑った。
「……お前、何してんの?」
その後のことは曖昧だ。
みつきとは別れた。あっさりと。
だが、よしまさは変わらない。
翌日も、その次の日も、
肩を組もうとしながらこう言う。
「俺たち友達だろ?」
何もなかった顔で。
何も悪くない顔で。
物語は終わっていない。
ただ、不快だけが続いている。