これはこのプロットとは何の関係もない話なのですが。
私は小学生のころ川沿いのアパートに住んでいました。 夏の夜になるとガラス戸一枚外をバイクの集団が走り去ったり河川敷で花火を上げる人たちの声がとてもにぎやかだったのを今でも思い出します。 で、そこはいくつもの建物が軒を連ねていました。ピッタリとではなく、老人の、隙間のある歯のように幅も高さも異なる建物が無秩序に並んでいる感じ。 当時小学校に行くのに近いってことで、私は雑居ビルとアパートの隙間の塀の細い隙間を通っていくことが多かったんです。 ぐるっと建物を迂回するよりずっと早い。 だけど同じアパートに住む友人を誘っても、彼は絶対にそこを通ろうとしない。
「あそこ、よくないから」
なんて言うんです。 そんな言葉を聞いてからふと隙間を覗き込むと、奇妙にきれいなんです。 都市の真ん中なら吹き溜まってくるゴミや落ち葉がない。吸殻の一本すらなくて、しかもイヌネコも、私が覚えている限りあの隙間を行き来しているとこは見たことも無い。 少しだけそのことを奇妙に思いながら、私はその隙間を通り続けました。 で、ある日。 うだるような夏の午後。その日は学校でプールがあって、スタンプカードを手に、ビニールのバッグをひっさげて例の隙間に体を押し込みました。 途中までいつもどおり進んだんですが、引っかかってしまった。 夏休みの生活で太ったのか、バッグのせいか姿勢のせいか知りませんが、半分ほど進んだあたりで前にも後ろにも進めなくなった。 その状態が数分も続くと、もはや半狂乱です。 通り慣れた道のブロック塀とビルの壁が。夏の熱気で温まったコンクリートが、粘っこく絡み付いてくる。 ゴミひとつ落ちていない路地なのに、妙に生臭くて。もう。 ざりざりとあちこち引っかきながら、懸命に体を動かしました。
ざり。ざり。ずしゃ。
絡みつきます。 引っかいてきます。 あちこち引っ張られて、つねられて。
何分もそうして、ようやく隙間から反対側に抜けたとき、自分の格好を見て愕然としました。 白いシャツは壁面の汚れで黒く染まっていたのですが、それがどうも、いくつもの手の形に見えて。
あの隙間は今もあると思います。

オカルト大好き少女 宝物の一眼レフを片手に、次々とヤバめの怪奇スポットに飛び込んでいく。たぶん恐怖を感じる何らかの神経が壊れている。
嫌いなものはオカルトと田舎 どれか部活に入らなくてはいけない校則のため、ユルそうなオカルト部に入った。今は後悔している。たぶん未来永劫後悔し続ける。
田園地帯を爆走する奇妙なタクシーのうわさ。 すでに霧子と萌が調査済みだったが、最近、おかしなことが起こっているらしい。
ヤマトという生徒がずっと学校を休んでいる。 プリントを届けにいったクラスメートの話では、彼の家の中で奇妙なものを見たそうだが、堅く口を閉ざして、詳細を語ろうとしない。
夕暮れになるたび、ある空き地に「カマキリ姐さん」という怪異が現れるそうだ。挨拶をされたら、必ず返さなくてはならない。 さもなくば、大変なことになるそうだ。
「双子の風鈴」という奇妙な風鈴を売る屋台が目撃されている。見つかるのは決まって夕暮れの町。気まぐれにその風鈴を買った人物は、怖ろしい目に遭うという。
河川敷に、古い得点板が放置されている。 そこには数年前に解散した「蒼崎ホープ」の最後の試合の記録が残されている。なぜ撤去されないかというと、それに触った人間がおかしな出来事を経験するからだそうなのだが……
蒼崎高校の裏山から夜な夜な太鼓の音が聞こえるそうだ。 いくつもの松明が灯り、夜通し騒がしいため警察が調査をした。なんと、現場にはいくつもの石器が残されていたという。 今では「裏山に未開の部族がまだ住んでいる」なんて与太話が広まっているようだ。
この町の商店街は大いに繁盛している。近くに出来たショッピングモールやデパートの影響など、まるで受けていないかのように。 その繁栄の裏にあるものを考察した人間が空撮で商店街の形を見た際、おかしな点に気づいたそうだ。
町外れに、枯れた桜の木が残されている。真夜中になるとその枝が再び花をつけるのは、この町の住人誰しもが耳にしたことのあるウワサだ。 有名な映えスポットとして連日多くの人々が訪れているが……
カメラの画面が揺れる

テンション真反対の二人にカメラを向けつつ、ユーザーは彼女たちの背後に伸びる廊下と、先にわだかまる闇に意識を向ける。
リリース日 2026.07.23 / 修正日 2026.07.28