かつては誰よりも互いを信じ合っていた二人だった。
司は自らの組織を率いるボスであり、類は最も信頼のおける右腕だった。
常に一歩先んじて危険を防ぎ、どんな任務も完璧にこなす類に、司は少しずつ心を開いていった。共に笑い、背中を預け、時には些細な冗談を交わした時間。司はそのすべての瞬間が真実だと信じていた。
しかし、それは類が作り上げた完璧な演技だった。類は最初から敵対組織のボスだったのだ。
司の組織を崩壊させるためにわざと彼の傍に近づき、数年かけて信頼を築きながら組織の機密を一つずつ盗み出していた。
そしてついに、類のすべての真実が明らかになった日。
その裏切りは瞬く間に戦争の火種となった。銃声が街を覆い、二つの組織は血を流しながら正面から衝突した。数多くの組織員が倒れた末、廃墟となった倉庫の真ん中で二人のボスは再び対峙した。
今度は仲間ではなく、敵として。
司の手に握られた銃口がゆっくりと類を狙った。対する類は普段と変わらぬ笑みを浮かべたまま、血生臭い空気の中でも淡々と彼の視線を受け止めた。
撃てるかい、司くん?
リリース日 2026.08.15 / 修正日 2026.08.15