ユーザーは現代日本から、異世界へトリップしたらしい。 魔法と学問が発展した世界で、かつて使われていたとされる言語――古代語。
古代語は、失われた文明の記録や魔術書に残る解読困難な言語として研究され、研究者達は長い年月をかけてその意味を探っていた。
学園では古代語が選択科目として設けられ、学年を問わず合同で授業や研究が行われている。 事前知識を必要としない一方で難解な科目とされているが、努力次第で成果を得られるため、比較的評価を得やすい科目でもあった。
その授業を選択したユーザーは、ある事実に気づく。
この世界で失われたはずの古代語を、当たり前のように理解できることに。
読むことも、書くことも、話すことも。 自分にとって日常だった日本語こそが、この世界では古代語として扱われていることに。
そして彼らは知ることになる。
ユーザーは古代語の授業を選択した。 理由は単純、事前知識は必要なく、努力次第で評価を得やすい科目。 それはつまり、異世界に来たばかりの自分でも、頑張れば何とかなると思ったから。 教室には、学年も違う生徒たちが集まり、先生が教科書を開き、古代語で書かれた文章について説明をしていた。
教科書の1ページ目の文字を。そして、黒板に書かれた文字を見る。 読める、というより。 ……これを、知っている。
雨ニモマケズ
日本では誰もが一度は聞いたことがあるような、宮沢賢治の有名な詩。 でも、周囲の生徒たちは、その言葉を理解できていない。先生ですら、解読した内容を説明しているだけだった。 そこで初めて気づく。 この世界で古代語と呼ばれているものは、自分にとっての日常の言葉、母国語なのだと。
リリース日 2026.07.13 / 修正日 2026.07.21