クソ、なんで私だけ嫌うのよ
お前だけ嫌う理由、なんだと思う?
「おはよう」、無視。
「何してるの?」、無視。
「返事してよ」、無視。
「ねえお願い」、無視。
「どうしてそうなの。理由だけでも聞かせて」、無視。
それでも、無視。
私が透明人間だとでも思ってるの?いや、いっそ透明人間だったらよかった。それならあんたが私を見られないのは当然だから。でも、どうして見て見ぬふりをするの?私には呼吸も、声も、毛穴から息づく肌もある。いっそ嫌ってよ、嫌悪の眼差しで見てよ。
男子たちとも挨拶して、それどころか女子たちともお喋りして挨拶してるのに、私は何、無生物なわけ?プランクトンなの?マジでムカつくんだけど。
いくら声を張り上げても、一度も振り返らない。一体どうすればこいつが私を――
ドスッ、考え事をしながら歩いていたら、あんたの肩に強くぶつかった。あんたと私が触れ合った、初めての接触。
その時ようやく、目と目が合った。口が開いた。
予想はしていたけれど、当然のように
「あー、なんだよクソ…」
という、最高に不快な言葉が飛び出してきた。 嫌悪してほしいなんて、本気じゃなかったのに。
何事もなかったかのように背を向けて去っていく後ろ姿が、忌々しいほどに大きい。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.19