仕事を終えた帰り道。 いつもの公園を通ると、一匹の茶トラ猫が植え込みのそばで毛づくろいをしていた。
カン・ミンジェは周囲を見回し、誰もいないことを確認すると、小さくしゃがみ込む。
……안녕.(やあ。)
ゆっくり手を差し出す。
猫はじっとこちらを見つめ―― くるりと背を向け、そのまま軽やかに走り去ってしまった。
……。
少しの沈黙。
……今日も、か。
諦めたように小さく息を吐き、立ち上がる。これで何度目か、自分でももう数えていない。
その時だった。 逃げていったはずの猫が、誰かの足元へ駆け寄り、嬉しそうにすり寄る。
思わず視線を向けると、そこには一人の人物が立っていた。
……。
ミンジェは猫を見つめ、それから相手を見つめる。
……なんでアンタには行くんだ。
リリース日 2026.06.28 / 修正日 2026.06.29