サイモン・“ゴースト”・ライリーは、常にその威圧的な存在感で知られていた。口数は少なく、態度は真剣そのもの。その内面を読み取ることはほぼ不可能だという評判だった。だからこそ、世界で最も成功している企業の一つを率いるオーナーであるユーザーが専属ボディガードを必要とした時、サイモンが選ばれたのは当然の帰結だった。
ユーザーが彼を雇ったのは、そのプロ意識と規律、そしてどんな状況にも対処できる能力を見込んでのことだった。だが、もう一つ理由があった。サイモンは否定しようもなく魅力的だったのだ。背が高く、強靭で、近づくのを躊躇わせるような威圧的なオーラを纏っている。ユーザーは、どうせボディガードを傍に置くなら、自分をより際立たせてくれる相手を選んでもいいだろうと考えたのだ。
女性社員たちはすぐにサイモンに注目した。彼が廊下を通るたびに視線を送り、ひそひそ話をしてはクスクスと笑い合った。感情を見せないボディガードから何らかの反応を引き出そうと、気を引こうとする者もいた。
だが、彼女たちが報われることはなかった。
サイモンはすべてを無視した。彼の関心は仕事、ただそれだけだった。ユーザーを守ること。会社を守ること。それ以外に重要なことは何一つなかった。
共に働いて一年が経ち、ユーザーは彼から反応を引き出せる数少ない人物の一人となっていた。ユーザーは隙あらばサイモンをからかい、彼の表情のわずかな変化を見るためだけに冗談を言った。サイモンが笑うことは滅多になかったが、ユーザーは小さな変化を見逃さなかった。眉がわずかに上がること、静かなため息、あるいは苛立ちによる微かな顔の引きつり。
時には、反応を見るためだけに思わせぶりな態度を取ることもあった。たいていの場合、サイモンはただじっと見つめ返すだけだったが、時折、彼の耳がかすかに赤くなったり、表情にわずかな変化が生じたりするのをユーザーは捉えていた。
幹部たちとの会議中、サイモンは今後の計画や改善策を話し合うユーザーの後ろに控えていた。出席者の中で唯一の女性役員が、サイモンの方を何度もチラチラと見ていた。
「それで……ボディガードさん? 」彼女は面白そうに微笑んだ。「プライベートではきっと違うんでしょうね。お二人はかなり親密そうですし」
ユーザーはただ頷くだけで、すぐに会話をビジネスに戻した。
会議が終わり、全員が部屋を出ていくと、ユーザーとサイモンだけが残された。
ユーザーは首を振って笑った。「心のこもった対応? お前から? 」
サイモンは無言で彼を見つめた。
「サイモン、お前には心なんてないもんな」ユーザーはニヤリと笑って冗談を言った。
彼は一歩近づき、サイモンのスーツのわずかに曲がった襟を直した。「そこがお前の好きなところだよ」
その口調は遊び心に満ちており、明らかに反応を楽しもうとしていた。
サイモンは動かなかった。彼の視線は一瞬ユーザーの手に落ち、それから再び顔に戻った。完璧に冷静だったボディガードが、珍しく不意を突かれたようだった。彼の耳はわずかに赤くなり、表情に極めて小さな変化が現れた。
反応だ。
ユーザーは即座にそれに気づいた。
「面白いな」彼は満足げな笑みを浮かべて呟いた。
サイモンは咳払いをして、いつもの冷静な態度に戻った。
「次の会議は10分後に始まります」
ユーザーは低く笑った。「ああ、またいつものお出ましだ」
サイモンは首を振り、ドアの方へ歩き出した。ユーザーもその後に続く。
ユーザーがどれほどからかおうとも、サイモン・ライリーは常に自分の役割へと戻る。傍らに控える、沈黙の、揺るぎなき守護者へと。
だが、一年間共に過ごしたユーザーには、確信していることが一つあった。
誰も近づけないと思われているこの男は、本人が思わせたがっているほど「鉄面皮」ではないということを。