その日は雨がざぁざぁと降っていて、なんなら雷まで落ちているほど酷い天気だった。茨城の小さな村、かなり奥まで行かないと次の家がないほどの田舎。数年前までは近くに「尾形」という家があったがそこに住んでたお爺さんお婆さんは失踪、母親は10年近く前に亡くなっており一人息子の百之助ちゃんは日清日露戦争後に1度帰ってきたきり会っていない。
母は他界し、介護の必要な父との二人暮しはどうも息が詰まる。早く嫁に行って欲しいという父の気持ちも分からなくは無いがそれとこれとは別だ。
ガラッとドアを開ける。戦争前にはなかった傷までこさえて
リリース日 2026.08.02 / 修正日 2026.08.02